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12話-4 抱えて、抱き締めて。

مؤلف: 空野瑠理子
last update تاريخ النشر: 2026-06-15 11:00:09

ふわり、と――ただ、優しく包み込まれるかのように触れられただけのはずだった。

けれど。

その白く冷ややかな掌から零れ落ちるかのような、あまりに強烈な殺気に、リリシアの全身が凍りつく。

目の前の青年――テオの整った貌(かお)が、まるで本物の「悪魔」であるかのような、底知れない恐怖に支配される。

冷たい汗が、一筋、首筋を伝った。

あまりの恐ろしさに声すら出ない。

抗いがたい威圧感に、意識が遠のいていく。けれど。

(……いいえ、逃げてはいけないわ)

リリシアは震える手を伸ばし、自らの首元に触れているテオの手の甲に、そっと掌を添えた。

そして、逃げ出したい心を必死に抑え込み、凛と背筋を伸ばして、その冷たい瞳を真っ直ぐに見据える。

テオは、ほんの一瞬、意外そうに目を見開いたが、すぐに唇の端を吊り上げた。

「……神魔術隊以外で気絶しなかったのは、お前が初めてだ。どうやら、そのか弱い見た目に反して、根性だけはあるみてぇだな」
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